炎帝現る

ジェラルト
どうにか片づいたな……。 犠牲も……最低限に留めた。

ジェラルト
奴ら、実験台は誰でも良かったと ぬかしていやがったな。

ジェラルト
あいつらのせいで、 ルミール村の連中は……。

炎帝
ここにいたか、ベレト。

ジェラルト
その姿……お前が、炎帝か。

炎帝
いかにも。 我が配下の死神騎士が世話になったな。

ジェラルト
世話になったとは随分な挨拶だな。 お前がこの村を滅茶苦茶に……

炎帝
勘違いするな！

ジェラルト
なに？

炎帝
ソロンは確かに我が協力者だが、 同じ目的で動いているわけではない。

炎帝
このような行い、事前に知っておれば 我が必ず止めた。それは断言しよう。

ジェラルト
口では何とでも言える。 とりあえず修道院まで来てもらおうか。

炎帝
できぬ相談だ。……が、我と貴様らとで 手を組むというのであれば受けよう。

ジェラルト
何だと……？

炎帝
放っておけば、彼奴らはまた凶行を 繰り返す。それを止めたくはないのか？

炎帝
特に天帝の剣を持つ貴様の力があれば、 ソロンなど敵ではない……。

炎帝
その選択、後悔するでないぞ。

ジェラルト
なあ、ベレト。 大修道院に来て、お前は変わったな。

ジェラルト
ルミール村に来てから、お前、 怒りっぱなしじゃねえか。

ジェラルト
ガキどもを指導してる時は、 随分と嬉しそうな顔をするしよ。

ジェラルト
お前がそれほど感情を表に出すなんて、 大修道院に来るまで一度もなかったんだぞ。

ジェラルト
お前のそんな顔が見られるなら、大修道院に 来たことも、良かったのかもしれん。

ジェラルト
あるいは初めから、大修道院を出る必要さえ なかったのかもしれねえな……。

ジェラルト
……！ しまったな……いや、そろそろ潮時か。

ジェラルト
今度、暇な時に俺の部屋に来い。 話がある。

ソティス
これはいかなることじゃ？　おぬしが 大修道院にいた記憶なぞ、わしにはない。

ソティス
おぬしの生には、いったい何が 隠されておるというのじゃ……？