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ディミトリ
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……この女の妄言はどうあれ、奴がこの国の 仇敵であることに変わりはない。
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ディミトリ
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ファーガスを帝国に売り渡し、 無意味な苛政で民衆を苦しめた……。
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ディミトリ
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……だが、それも今日をもって終わりだ。 これ以上、無駄な血が流れることもない。
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ディミトリ
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それに、コルネリアが倒れた今、 奴と繋がりのあった貴族を締め上げれば……
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ディミトリ
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ダスカーの一件について、 何かしらの手蔓を掴めるかもしれない。
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ディミトリ
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そうなれば…… いつかは、ダスカーの民の無実も……
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ドゥドゥー
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殿下……。
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ドゥドゥー
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……はい。あの日、命を落としたダスカーの 同胞たちも、皆、きっと喜ぶことでしょう。
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ドゥドゥー
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感謝します。あなたという主人を 持てたことがおれにとっての誇りです。
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ギルベルト
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……さて、殿下。あなたにはまだ、 果たすべき務めが残っています。
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ギルベルト
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さあ、参りましょうか。民は皆、 あなたの帰還を待ちわびているのです。
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ディミトリ
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参りましょう、とは…… いや、俺には、彼らに合わせる顔など……。
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ディミトリ
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先生……。 ……ああ、そうだったな。
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ディミトリ
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俺はこの国の…… 彼らの王、なのだから。
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ディミトリ
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……これは、何だ?
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ギルベルト
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見てのとおり、 あなたの帰還を喜ぶ民衆です。
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ディミトリ
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……俺はかつて彼らを見捨て、 この国を逃げ出したというのに、か?
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ギルベルト
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たとえ、そうだったとしても…… それでも、この光景に嘘偽りはないのです。
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ギルベルト
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この国は、王を求めている。 長い抑圧から、民を解き放った英雄を……。
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ギルベルト
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本当に……本当に、 よく戻られました、殿下。
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ディミトリ
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……俺は、この国に……いてもいいのか。 俺を、この国の王だと認めてくれるのか。
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ディミトリ
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俺のような、血にまみれた人間を……。
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ディミトリ
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……そうだな。 お前の言うとおりだ。
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ディミトリ
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……わざわざ言わなくてもいい。
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ディミトリ
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ああ、そうか…… 俺は、ようやく帰ってきたんだな。
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ディミトリ
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懐かしい…… 愛おしい、故郷に。